あけましておめでとうございます。みつおです。
書くの遅くなってすいません。新年早々申し訳ないですが、語ります。
興味ない方はどうぞ飛ばしてください

時は高校三年生
俺のクラスにはマドンナがいた。
屈託のない笑顔で笑う、陸上部の子だった。
俺は席が近かったこともあり、その子を笑わせようと毎日毎日学校で張り切っていた。
男子からのいじりに大声で答えたり、ミンティアを弁当箱に入れたり、その子からのフリに全力で対応していた。
水泳の授業で濡れたビチャビチャのパンツを松葉杖にかけて教室で干した時は怒られて、やっちまったと思った。ちょっと落ち込んだ。
その子が笑っているととても満足だった。
今思えば俺だけじゃなくクラスの男子全員がその子の笑顔を見たいが為に毎日張り切っていた気がする。
そのマドンナは文化祭の頃に人気が頂点に達した。
卒業までにクラスの男子の3人が告白して撃沈した。少し小悪魔だったのだ。
その後も卒業まで俺は張り切り続け、受験した大学に全部落ちた。
しかし、悔いはない。
それほど、私の高校生活は輝いていたからだ。

時は2015年末
高校三年生の時のクラス会があった。
いつもの変わらないメンツだ。
その中で、マドンナに告白して撃沈した内の2人から衝撃の話を聞いた。
当時、実はそのマドンナはどうやら俺に気があったようなのだ。私は驚いた。
というのも、私はそいつらよりブサイクなのだ。
当時も、そいつらとマドンナは仲が良かったので全く気づかなかったのだ。
私は心躍った。
そうか、あの日々の頑張りは虚無ではなかったのだな。
こんな私でもマドンナの心に軌跡を残すことができていたのだな。その日から黒い霧に覆われていた私の心は晴れ晴れとしたものに変わった。

「人間、顔じゃない」

その言葉がポッと言葉に浮かぶと、私は少し軽くなったような体で寒空の会津を駆け抜けたのであった。